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【相続手続きの流れ】遺産相続の手順と期限

遺産の相続には様々な手続きが必要です。
その中には期限が決められたものも多くあります。

限られた時間の中で相続手続きをスムーズに進めるためには、「いつまでに」「何をすべきか」という相続手続きの流れをしっかりと把握しておくことが大切です。

相続手続き全体の流れ

家族が亡くなった後、相続手続きは一般的に次のような流れで進んでいきます。

相続手続きの流れ

実際にはこれらの手続きの順番が前後することや、同時並行で進めることもあります。特に期限が決まっている手続きには十分注意しながら、効率的に作業を進めていく必要があります。

以下、それぞれの手続きについて詳しく説明をしていきます。

① 遺言書の有無の確認

亡くなった人(被相続人)が遺言書を残していた場合、基本的にはその遺言書の内容どおりに相続手続きをすることになります。遺言書があるかどうかによってその後の手続きが変わってきますので、まずは被相続人が遺言書を遺しているかどうかを確認します。

遺言書は、遺品整理をする過程で自宅や銀行の貸金庫などを捜索するほか、次のような捜索方法も検討します。

公証役場での検索
被相続人が遺言書を公正証書で作成していた場合には、その遺言書を作成した公証役場に原本が保管されています。そして、遺言書が平成元年以降に作成されたものであれば、全国どこの公証役場からでもその有無を検索することができます。

法務局への照会
令和2年7月から、法務局で遺言書を保管してもらうことができる制度が始まりました。よって、今後は法務局に対して遺言書保管の有無を照会することも検討する必要があります。

なお、発見した遺言書(公正証書遺言または法務局で保管されていた遺言書を除く)については、家庭裁判所で「検認」という証拠保全の手続きを行う必要があります。

② 相続人の調査(戸籍の取得)

遺言書がない場合には、法律で定められた相続人(法定相続人)が相続手続きを行うことになります。
※法定相続人の詳しい説明は、「法定相続人・法定相続分とは?相続人の範囲と相続できる割合について解説」をご覧ください。

そこで、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本を含む)を取得して、誰が相続人になるのかを調査します。
なお、被相続人の兄弟姉妹が法定相続人になる場合には、被相続人の戸籍謄本だけでなく、被相続人の父母が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本も取得する必要があります。

※相続人の調査(戸籍の取得)の詳しい説明は、「相続人の調査とは?相続手続きに必要な戸籍の収集方法」をご覧ください。

③ 遺産の内容の調査

預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産の有無も調査します。

預貯金
通帳や金融機関からの郵便物を探します。場合によっては、近隣の金融機関に当たりをつけて、取引の有無を調べてもらうこともあります。

不動産
権利証や固定資産税の納税通知書の記載を確認するほか、役所の固定資産税課(東京23区内は都税事務所)で名寄帳の写しを取得する方法などがあります。土地や建物が特定できたら、法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得して、名義人などの権利関係を調べます。

借金
預金通帳に記載のある引き落としの内容や、クレジットカードの明細書、身の回りの契約書などを確認します。また、金融機関からの借り入れについては「信用情報機関」に情報が登録されており、情報の開示請求をすることにより負債を把握することができます。

④ 相続するか放棄するかの決定 … 3か月以内

プラスの財産よりマイナスの財産が多いなど、遺産を相続したくない場合には、相続放棄をすることができます。

相続放棄は、自分が相続人になったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所で手続きをする必要があります。

もし、3か月以内に相続放棄をすべきかどうか判断がつかない事情がある場合には、家庭裁判所に申立てをすることによって、期限を延長することもできます。

なお、相続人がマイナスの財産を相続したくない場合の選択肢としては、プラスの財産を責任の限度として遺産を相続する「限定承認」という方法もあります。

⑤ 所得税の申告と納付(準確定申告)… 4か月以内

被相続人に一定の所得があった場合には、準確定申告をします。

その場合、相続人は、被相続人が亡くなった年の1月1日から亡くなった日までの所得を計算して、相続のあったことを知った日の翌日から4カ月以内に、税務署に対して所得税の申告・納税をする必要があります。

⑥ 遺産分割協議

相続人全員の話し合いによって、遺産の分け方を決定します。
相続人は分け方を自由に決めることができますが、必ず相続人全員が合意する必要があります。

話し合いによって遺産の分け方が決まったら、その内容を書面(遺産分割協議書)にします。
相続人同士の話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所での調停や審判によって遺産の分け方を決めることになります。

遺産分割自体に期限はありませんが、2021年に法改正があり、相続開始後10年が経つと、ある一定の自分に有利な主張(特別受益や寄与分)ができなくなりました。
これらの主張をしたい場合は、10年以内に遺産分割協議をする必要があります。

なお、遺産分割協議の詳しい説明は、「遺産分割協議とは?基本的なルールや注意点を解説」を参照してください。

⑦ 遺産の名義変更・払い戻し

遺言書や遺産分割協議書の内容に従って、不動産や預貯金、有価証券などの名義変更や払い戻しを行います。

なお、不動産の相続登記(名義変更)については、法改正により2024年4月1日から義務化され、原則3年以内という期限が設けられることが決まっています。
詳しい説明は、「相続登記の義務化はいつから?相続登記の期限や新ルールを解説」をご覧ください。

また、下記⑧の相続税の申告・納付手続きには10カ月の期限がありますので、手続きの進み具合によっては、そちらを先に行うケースもあります。

⑧ 相続税の申告・納付 … 10か月以内

遺産に対して相続税がかかる場合には、相続の開始を知ってから10カ月以内に相続税の申告・納税をする必要があります。

また、相続税がかからない場合であっても、各種控除などの特例を利用するときには申告をする必要があります。

まとめ

以上、遺産相続のために必要な手続きの流れについて解説しました。

相続手続きを行う際には、これらの全体的な流れを把握し、特に期限の決まっている手続きに注意しながら、効率的に作業を進めていく必要があります。

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